第8章 ♢仲間♢
調査兵団に入ってから
リヴァイ以外の兵士達とも仲良くなり
思ったよりも自分を受け入れてくれる
皆に驚いた
やっぱり話してみなきゃ
分からないことが沢山あるんだなと
改めて確信した
リヴァイは人付き合いはあまり良い方ではないが
訓練で関わる中で
ふとした優しさに気づいてくれる兵士も少なくなく
リヴァイは気づいていないかもしれないが
あっという間に溶け込んでいた
ーコンコン
「入れ」
執務室のドアがノックされ
エルヴィンが通す
「悪い、遅くなったな」
そこに来たのはミケだった
「私たちも来たばかりだよ!」
ミケともあの日以来
気まずくて会話出来ていなかったが
兵団一の実力者と言われているだけあり
訓練で彼に教わることが沢山あった
リア達が地下で逃げ切れると
思い込んでいたことが
恥ずかしくなるほどに
彼は優秀な兵士だったのだ
リアはミケを尊敬し
彼もまたリアを可愛がってくれる
「よし、全員揃ったところで知らせることがある」
突然口を開いたエルヴィンの声色が変わり
全員顔が引き締まる
「来月、壁外調査を行う。恐らく遠征になるので各自準備しておくように」
「来月…か」
「ヤッホーイ!!私の巨人ちゃ〜ん!待っててね〜!」
エルヴィンの知らせに思わず顔が曇るリアだったが
横で大喜びするハンジを見て苦笑いに変わった
リアとリヴァイはフラゴン班解散後
どこの班にも属して居なかったが
エルヴィンの元で動く事が多く
壁外調査の知らせも彼から知らされていた
あれから2回程壁外調査に行ったが
エルヴィンの提案した長距離索敵陣形は
今までにない大きな成果を出し
死ぬ兵士が驚くほど減った
…だが犠牲になる兵士は必ずいる
次の壁外調査は遠征だ
恐らくいつも以上に犠牲者が出るだろう
少しでも多くの命を残したい
そう思っていると
ポンッと頭の上にリヴァイの手が乗った
「あまり考えすぎるな」
リヴァイの言葉にハッと周りを見ると
エルヴィン、ハンジ、ミケ、そしてリヴァイが
俺(私)達がいる
とリアを優しい瞳で見つめていた
あぁ、この人達に出会えてよかった
本当に良かった
そう思い涙を流すリアだった