第8章 ♢仲間♢
「2人はスッカリ仲良くなったようだな」
突然後ろから声をかけられ
驚いて振り向くリアとハンジ
「エルヴィ〜ン!いいところに!リアがねぇ、風呂に誘ってくるんだよ!」
「それはいいことだ、リア、頼んだぞ」
そこには訓練を終えたエルヴィンが立っていた
彼とはあの日以来なんだか気まずくて
中々話せていなかったが
ある時用事がありエルヴィンの執務室に訪れた際に
美味しい紅茶と茶菓子をくれたことから
話をするようになったのだ
…決して餌付けされた訳ではない
「エルヴィン、今訓練終わり?」
「あぁ。そうだリア、また珍しい茶葉が手に入ったんだ。後で私の執務室に来て一緒に飲まないかい?」
「え!ほんと!?行く行く!」
もう一度言うが
餌付けされた訳ではない
「エルヴィンってさぁ、元々コーヒー派じゃなかったっけ?リアが来てから…って、いてっいててっ!」
ハンジが言いかけたところで
エルヴィンに耳を引っ張られ遮られた
「リア、気にしないでくれ。2人とも訓練が終わったら私のところに来なさい」
「わかったよ〜!」
2人のやり取りに慣れきっているリアは
特にハンジを心配することもなく
エルヴィンに返事をした
「みんな…私の扱いが酷すぎるっ!」
うわーんっと嘆くハンジに
ハンジさん…と優しく背中をさすってあげるモブリット
「ハンジ…モブリットがいて、ホントに良かったね」
リアは2人を見てそう言うと
さて、と訓練を再開しようと気合いをいれる
指導すると言っても
自分も鍛えなければ話にならない
一通り兵士達にアドバイスした後は
自分の訓練を行う
「じゃ、ちょっと飛んでくるね!」
ーバシュッ
その言葉と共に凄まじいスピードで
飛んで行ったリアを見て
「…飛んでる時のリアってホントに別人だよね」
「…はい。ホントに圧巻です」
ハンジとモブリットが呟いた