第8章 ♢仲間♢
「リア!どこいってたんだい?探してたんだよ!」
「ごめんごめん!」
訓練場に戻ってきたリアに真っ先に声を掛けたのはハンジだった
彼女と初めて話したのは初めての壁外調査の時だったが
それ以来、彼女から話しかけてくれたり
訓練を一緒にして行く中で意気投合し
今では巨人について朝まで語り合ったりする仲になっていた
「今からまた訓練頼むよ!」
そしてリアとリヴァイはその腕を買われ
指導される側ではなく指導する側になる事が多く
今日もその日だったのだ
ハンジは元々センスがいい上に
リアがいう事を忠実にやって見せる
その為教えるのに苦労はしないが
他の兵士はそうはいかない
毎日の鍛錬や努力により上手くなれるのだ
ちらっと横を見ると
少し離れた先で立体起動の指導をしている
リヴァイと目があった
「リヴァイ〜!」
最近はお互いのことで何かと忙しく
中々2人で会って話す機会が少ない
おーいと手を振ると
片手を挙げ返し
すぐに指導に戻ったリヴァイ
「リヴァイってさ!リアにだけ優しい顔するよね!」
「今まで家族みたいに過ごしてきたからね」
眼鏡を光らせながらニヤニヤするハンジに
ハイハイと答えるリア
「あ、そうそう。ハンジ、今日お風呂一緒に行こうね」
思い出した、と手をポンと叩きながら言ったリアにギョッとした顔をするハンジ
「えぇ!?3日前に入ったばっかりだから、今日は大丈夫だよっ!」
「毎日訓練して汗かいてるんだから、本来なら毎日入るべきなの。それに、モブリットが可哀想だし」
ハンジにいつも付いて回っている
モブリットからある時
深刻そうな顔でお願いがあると言われ
何かと思ったら
ハンジを風呂に入れて欲しい
という内容だった
初めは何それ?と適当に流していたリアだったが
殆ど毎日ハンジと過ごすようになり気づいたのだ
彼女は風呂に入らない
その事実に気づいた時鳥肌が立った
彼女の頭がテカテカに光っていたのだ
その日からなるべく毎日お風呂に誘うようにしている
「絶対だからね!この訓練終わったら行くからね!」
「うぅ…リアって私に厳しすぎるよ…」
「そんなことないよ!」
そんなやり取りを近くで見ていた
モブリットは助かった…と肩を撫で下ろしていた