第8章 ♢仲間♢
初めての壁外調査から
数ヶ月経とうとしていた
リアとリヴァイは元々
地下街から来た事と文句なしの実力故に
兵団内では有名だったが
当時はまだそんな2人を悪く言う声もあった
だが、一緒に訓練して行く中で
2人に対して敬愛…恋慕を抱く者は少なくなく
「リアさん!僕と付き合ってください!」
今日もリアは告白されていた
「ごめんなさい」
勇気を持って告白してくれたのであろうが
ごめんなさい、に慣れを感じているのが
申し訳ない
私、リヴァイが好きなの
そう言ってしまえば
恐らくこれから誰からも告白されないであろう
だがそのリヴァイもリアと同じように
女兵士達から狙われている
その度冷たく断られ泣いているのをよく見かけるが
その内容が
そういうものは必要ない
とか
恋愛などする気がない
と言っているらしい
お互い、嘘でも付き合ってると
言ってしまえば告白されず済むが
リヴァイのことが本当に好きなリアは
とてもじゃないがそんな提案出来ない
「せめて…抱きしめさせて貰えませんか?」
リヴァイのことを考えていて
彼の事を忘れてしまったいた
これもよくあること
付き合えないならせめて…と色々言われる
ハグだけならまだ分かるが
キスや一晩だけと求めてくる人もいる
同じようにリヴァイも言われているだろうと
思うと胸がズキズキ痛む
彼も男だ
いくら興味ないと言っていても
一晩だけ、と言われたら心が揺らぐのではないか?
そんな事を考えながら
目の前の兵士の要望に応える
ギュッと優しく包まれる身体
彼は顔もいいし背も高い
少女漫画の世界だったら
興奮するところだろうが
リアはキュンともしない
自分に呆れた
「ありがとうございましたっ!」
爽やかな笑顔でお礼を言い
去って行く兵士を見送る
「…ごめんなさい」
私なんかとハグしてなにがいいのだろうか
あんな笑顔でお礼を言われ
罪悪感で胸がいっぱいになる
「…はぁ」
もういっそのこと
リヴァイに提案しようか?
…いや、ダメだ
考えただけで頬か紅くなるのを感じた
考えるだけ無駄だと今日も諦め
ペチンッと頬を叩き
訓練所に向かうリアだった