第7章 ♢現実と休息♢
これが恋なのだ
俺はリアが好きだ
そう思ったら早く先に進みたいと思ってしまう
この柔らかそうな唇に今すぐにも愛を落としたい
そう思って気づく
リアの気持ちは?
リアは俺のことをどう思っている?
「クソッ…めんどくせぇ」
思っていたより恋愛とは簡単ではないらしい
今までのように欲が溜まったからヤらせろ
なんて言える筈がない
リアは俺の事が好きだろうが
それはファーランやイザベルも同じだろう
ファーランは壁内に戻ったら気持ちを伝えると言っていたが
もしダメだった時のことは考えていたのか?
今までの関係に戻れなくなってしまったらと思わなかったのか?
…ということはリアがファーランの事を好きだという自信があったのか?
恋愛事情の全く分からないリヴァイは困惑した
「好きだ」
寝ているリアに伝える
この三文字を直接伝えることがこんなに大変だとは
リアとリヴァイは調査兵団で兵士として
生きて行くことを決めた
それは同時にいつまで生きられるか分からないという事だ
兵士となった今
もしお互いの気持ちが通じ合ったとしても
普通の恋愛など出来ないだろう
それならいっそこのままで
…側で守れるのなら
そう考えていると
モゾモゾとリアが動き出したのが分かった
思わず目を閉じて寝たフリをするが
じっと見つめられている視線を感じ
このまま抱きついてやろうか?と思い始める
すると
「ほんとにかっこいいなぁ…」
すぐ近くでリアの声が聞こえ
「…っ…」
思わず身じろぎしてしまった
この状況じゃ恐らく俺のことだろう
前イザベルにリアが俺の事を
好いていると聞いたりもしたが
意識する前と後じゃだいぶ違う
その後リアの手がリヴァイの髪に触れ
静かに部屋を出て行くと
目を開け身体を起こす
まあ、少しは期待していいのかもしれねぇな
そう思うと思わず口角が上がる
そしてふと視線の先にイザベルが
いつも大事そうに持っていた
絵本があることに気づき手に取る
「アイツは…最初から最後まで子どもだったな」
絵本の内容を見ながら
イザベルを思い懐かしむ
そして
ありがとう
絵本を抱きしめ
そう心で伝えた
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