第7章 ♢現実と休息♢
今まで出会ってからといい
昨日の事といい
リヴァイは本当に優しい
リアは誰もいない
大浴場の湯船に浸かりながら
ボーっと考える
私は恐らく
リヴァイの事が好きなんだ
その気持ちに薄々気づき始めたのは
まだ地下にいた頃
何気ない日常の中
無意識に目で追ってしまっていた時だ
元々端正な顔立ちな上に
任務を淡々とこなす姿
それだけでもカッコイイと思っていたが
ふとした瞬間の優しい顔や
誰よりも仲間思いで
なんだかんだ面倒見がいいところに
どんどん惹かれていった
だがリヴァイがリアのことを
どう思っているかは正直分からない
好いてくれていることは確かだ
あまり自分から人に関わろうとしない彼が
リアを気にかけ心配してくれる
そして優しい眼差しを向けてくれる
だが、それは仲間を思ってなのかもしれない
イザベルに対してだって同じように
心配したり優しい表情をしていた
リアは自分の気持ちに気づいたところで
それを伝えることのメリットが思いつかなかった
今の状態でとても幸せだ
今まで恋愛をした事がなかったリアにとって
友達以上の関係がどのようなものか想像もつかなかった
気持ちを伝えることによって
今の関係が崩れてしまったら?
そんなの絶対嫌だ
それならこのままでいよう
リアはすっかり逆上せてしまった頭で
そう決意しお湯から上がった
「…なんだが片思いって楽しいかも」
こういうリヴァイが好きだとか
この瞬間がカッコイイとか
自分にだけ優しくしてくれるとか
それだけで幸せな気分になれる
イザベルもこんな気持ちだったのかな?
…いや、彼女の好きは敬愛だ
同じカッコイイでも
こんな風になりたい
といった気持ちのが大きかっただろう
スッキリした頭で大浴場を出て自室に向かう
リヴァイはもう起きているだろうか?
今日は調査兵団全員非番の日だ
どこか一緒に出かけようと誘ってみようか?
そんなことを考えながら
リアは自室へ戻った