第2章 ♢目覚め♢
「………」
リヴァイはリアの呟きを聞きながら考えていた
こんなことが現実に起こり得るのであろうか?
そういった疑いの気持ちもあったが
真剣に真っ直ぐな瞳で話してくるリアが
嘘をついているとは考えづらかった
「おい。お前の名前は?」
「リア・アツカです…」
「…リア。仕方ねぇからここに置いてやる」
「…えっ?」
急に名前を聞かれたと思ったら
考えもしていなかった発言をされた
冷たい瞳で何度も見られたり、不機嫌そうな態度をされたり、眉間にシワを寄せていたりと
今少しだけ会話していただけでもこの人は私のことが嫌いなのだと思っていた
「いいんですか…?」
「…行くとこねぇんだから仕方ねぇだろ」
見つけちまった俺の責任だ
と溜息を吐きながら答えたリヴァイ
彼は実は凄く優しい人なのかも?
そう思ったリアだった
「俺は少し出てくる。仲間にお前の話をちゃんとしなきゃならねぇ。お前はゆっくり休んどけ」
そう言い部屋を出て行ったリヴァイ
1人になった部屋で改めて考えるこれからの事
こんな事になるなら漫画読んどけば良かった…
微かに残っている記憶の中に出てきたのは
"兵長" "巨人" "駆逐" の3つのワードだ
確か兵長はリヴァイだったような気がするが
彼が軍人の様には見えなかった
巨人というのは何なんだろうか
巨人に襲われる系の映画を観たことがあるが
もしそれがこの世界の現実なのだとしたら
確実に私は死ぬであろう
そう考え身震いした
…嫌なことは考えるのをやめよう
あとは駆逐だ
文字通り行くなら何かを殺すという事だろう
この流れから行くと巨人を殺す…のか?
でもそれがメインの漫画ではあそこまで女子達が盛り上がるだろうか
「…はぁ……」
結局考えたところで
こちらの世界の知識も何も無い為答えは出ない
リヴァイとお仲間さん達と過ごして行くうちに
きっと答えは出てくるのであろう
…でもよくよく考えてみると
あのリヴァイの仲間というのはどんな人達なんだろう
リヴァイに向けられた様な氷の様な冷たい目線を何人にもされたら
心が折れるかもしれない…
そんな事を考えていると
ードドドドッ
どこからか地響きが聞こえた