第2章 ♢目覚め♢
ーバターン!
勢いよく開かれた扉の前に立っていたのは
自分より幼く見える可愛らしい女の子だった
「おい、お前!」
見た目とは裏腹に男らしい言葉遣いで
話しかけられた
「は…はい」
ズンズンッと効果音が鳴りそうな勢いで
近づいてきた彼女は
リアの目の前に立ちじっと目を見つめた
何が起きているか分からないリアは
ひたすら自分を凝視している綺麗な瞳を見つめた
すると彼女はフンッと鼻を鳴らし手を差し伸べた
「俺はイザベル!これからよろしく頼むぜ!リア!」
ニカッと笑顔を見せた彼女
ーイザベルが可愛すぎて
つい身悶えてしまうが
手を差し伸べられていたことを思い出し
急いでその手を握った
「イザベル…さん?私のことは不思議なことだらけだと思いますが、これからよろしくお願いします」
この流れだと彼女はリヴァイの仲間なのだろう
予想外に可愛すぎる女の子が登場し驚いたが
急に現れた自分のような異端者を
受け入れてくれたことがとても嬉しかった
「俺のことはイザベルでいいぜ!」
そして敬語もいらねぇからな!と笑顔で言うイザベル
「ありがとう、イザベル」
「おい!イザベル!」
リアの声と聞いたことのない男の声が重なった
「ったく、お前はいつも人の話を聞かないで突っ走ってくな」
呆れた様に手を顔の横にあげながら
その声の主が部屋に入ってきた
それに続きリヴァイが部屋に入る
「リア…だよな?俺はファーランだ。リヴァイから話は聞いた。まぁ全然信じられない話だ。だがリヴァイがここに置くと決めたのなら俺は何も文句を言うこともないしお前を受け入れる。これからよろしく頼むな!」
ニカッと笑い手を差し出した彼
ーファーランの手をそっと握り握手を交わす
「ここに居ることを認めていただき
ファーランさん…ありがとうございます」
「俺もファーランでいいし、敬語もいらないぜ!」
2人ともなんて優しいのだろう
段々と不安を感じてきていたリアだったが
嬉しさから涙が溢れ出した
それを見た2人は
どうした!?どこか痛むのか!?
と慌てて心配していたが
大丈夫と笑うリアを見て自然と2人も笑っていた
それを後ろで見ていたリヴァイが
満足気にフッと口角をあげていたことは
誰も知らないー