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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第6章 ♢悔いなき選択♢




段々と冷たくなっていく
ファーランの手を離せず

雨に打たれていたリア


ーバシュッ
ーザシュッ


近くで立体起動の音がし
ハッと音の方を見ると

巨人がすぐ側で倒れた

リアはファーランに集中して気づいていなかったが
何度も巨人に狙われていた
それを邪魔するなとばかりに
リヴァイがひたすら討伐していたのだ

改めて周りを見渡すと
蒸気をあげている大量の巨人の死骸
そしてまだ生きている巨人が
見えるだけでも5.6体
この絶望的な状況の中
何も言わず一人で立ち向かっていたリヴァイ



"リヴァイを頼む"



ファーランに託された想いが頭をよぎる


最後に、といつもと変わらない
優しい顔で眠るファーランの頬を撫で


ーパチンッ


リアは両頬を叩き立ち上がる
立ち止まっている場合じゃない
ここは壁外だ

ファーラン
私はこれから貴方の分も背負ってリヴァイを守り支えていく
だから側で見守っていて…

また涙が出そうになったが
気を引き締めて巨人を一瞥する

「絶対に…許さない!」


ーバシュッ
ーザシュッ


リアは襲ってくる巨人達を
無我夢中で次々と仕留める
途中、巨人の腕が頬を掠めたり
雨に濡れた巨人の体に足を取られ
身体を打ちつけたりしたが
不思議と痛みを感じなかった

リヴァイはその度に
リアを気にする様子を見せたが
構わず討伐し続けるリアに
早く終わらせようと
刃を持つ手に力を入れた


ードシンッ


「っはぁ…、っはぁ…」

いったい何体殺したのだろう?
目の前の巨人の頸を削ぎ落とし
ぬかるんだ地面に降り立つ

リヴァイを見ると
最後の1体を仕留めようとしているところだった

この絶望的な状況が終わる…
そう思った瞬間
全身に痛みが走り
リアは思わずその場に座り込んだ

「オイ…人間てのは美味いのか?…なぁ…美味かったか?答えろよ」

リヴァイの声が聞こえた
話しかけている巨人は…
ファーランを飲み込んだ巨人だった

リヴァイの底知れぬ怒り、悲しみ、後悔が
溢れ出るその声に
思わず涙が零れた



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