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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第6章 ♢悔いなき選択♢





何が起きたか分からず
数メートル先に落ちた巨人の腕を見るが
ファーランの姿は…ない


ーザシュッ


再び巨人の肉を削ぐ音が聞こえ
回らぬ頭で音の方に目を向けると
そこには宙を飛び回り巨人を切り刻む


リヴァイがいた


「リヴァ…イ…」

戻ってきてくれた
でも…

イザベルが…
私、間に合わなくて、
ちゃんと見てれば助けられた筈なのに

ファーランが…
私のミスで…間に合っていたのに…
助けられた筈なのに…

そう言いたかったが
言葉にならず
リヴァイの姿を見て
只々涙が溢れ出した

約束してくれたのに
信じてくれていたのに

「ごめ、な…さい…」

壁外ということを忘れ
その場に膝から崩れ落ち
リヴァイを見つめる


ーザシュッ


リヴァイは巨人の腹を切ると
そこから"ナニカ"を取り出した

そして

リアの元へ降り立ち
その"ナニカ"をリアの側に横たえた

「ファー…ラン…」

その"ナニカ"はファーランだった
右足の膝から下が無い
恐らく噛みちぎられたのだろう
それ以外に外傷は見えない
もしかして、とリアはファーランに手を伸ばす

リヴァイはそんなリアの頭に手を置き
何も言わず蒸気をみて集まってきた
何体もの巨人を見据えると一瞬で飛び立った

「ファー…ラン…ねぇ…目を開けてよ…ねぇ」

呼吸は…ない

心臓も…動いていない

前に父に教わった心肺蘇生法を思い出す
もうダメかもしれない
そんな考えはリアには無かった

無我夢中で心臓マッサージと人工呼吸を行う

「ファーラン!ファーラン!」

雨と涙でぐしゃぐしゃになりながら
ひたすら繰り返す

お願い、ファーラン
戻ってきて


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