第6章 ♢悔いなき選択♢
壁外調査が始まる日の朝
ファーランとイザベルが
まだ起きてこない早朝に
リアとリヴァイは中庭に居た
元々早起きの2人は
わざわざ決めている訳ではないが
調査兵団に来てから殆ど毎日
朝の自主練前にこの場所で過ごしていた
特に何をする訳でもなく
リアが中庭に咲いている花を眺めて
この花の名前は、とか花言葉は、とか
リヴァイに話しかけたり
お互い本を読み無言だったり
ただそこにいる、ということが
当たり前だった
その日
いつもと様子が違うリヴァイに
「やっぱり、リヴァイでも緊張したりするんだね」
そう笑いながら言ったリア
「俺でも緊張くらいする」
と冗談だと言わんばかりに鼻で笑うリヴァイ
そして
「お前は俺に近い力を持っている。アイツらにはない力だ。何かあった時、アイツらを守れるのはお前だけだ。」
「急にどうしたの?…それは過信しすぎだよ」
「俺は嘘はつかない」
いきなり真剣な眼差しで言われ
動揺と照れで目をそらすリア
「俺はお前を信じている。だからお前も俺を信じろ」
よく恥ずかしげもなくそんなことを言えるな
そう思いながらも
リヴァイに力を認めて貰えている事
頼られている事が分かり
嬉しい気持ちでいっぱいになる
「私はいつだってリヴァイを信じてるよ」
私を連れて帰ってくれた時から
そう言い笑って見せると
「…あたりめぇだ」
チッと舌打ちし視線を逸らした
リヴァイの頬が少し赤くなっているように見えた