第6章 ♢悔いなき選択♢
ーキィイイン
その言葉を遮るようにして音響弾が鳴り響いた
音が近い
良かった、フラゴン達は近くにいるようだ
「…俺1人で行く。お前らはフラゴンに合流しろ」
ずっと押し黙っていたリヴァイがその音を聞いて口を開いた
「おい…」
「ヤツを殺るのは俺だ。巨人なんかに食わせねぇ」
「待ってリヴァイ!こんな中行く必要なんてないでしょ!」
ファーランが止めようと口を挟むが
リヴァイは意見を変える気は無いようだ
その言葉を聞いたリアが思わず声をあげると
3人は驚いたようにリアを見た
「まず私たちが無事に壁内に戻る事が先。今日しかチャンスが無い訳じゃないでしょ?」
「だが奴が死んだらどうする」
普段あまり声を荒げないリアに驚いた
リヴァイだったが
今日しかチャンスが無い訳ではないという
リアの目をまっすぐ見ながらそう言い
「俺たちは地上の居住権を失うだけではない。調査兵団との関係すら危うい」
俺らはエルヴィンが連れてきたゴロツキだ
アイツも書類も失ったら
それこそ俺らの夢は叶わないぞ
寧ろ今しかチャンスがない
雨に打たれながら
これしか選択肢が無い
とばかりに訴える
「…それなら私も行く」
確かにリヴァイが言っていることは
間違っていない
エルヴィンが死に、書類も無くなってしまったら
私たちの居場所が無くなる
地下にすら戻れないかもしれない
だが周りの様子が全く分からない
こんな状況で1人でなんて行かせられない
それがリヴァイだとしても
「ダメだ!」
「1人でなんて行かせられない!」
「…頼む」
リヴァイも珍しく声をあげリアに怒鳴ったが
意思を曲げる気の無いリアに
懇願するような瞳で言ったリヴァイに驚く
頼む。お前の力でこいつらを、班の奴らを守ってくれ
口に出さずとも伝わってくる
リヴァイの気持ち
ふと昨日の出来事が蘇る