第6章 ♢悔いなき選択♢
「我々の配置はここ、次列4・伝達だ」
ハンジが去ってからすぐ
明日の陣形確認の為サイラムが来た
「…特にこの班はいまひとつまとまりに欠ける…、が幸い人材に恵まれている。どの一角が欠けてもしゃれにならん。心して臨んでくれ」
「よーし!やってやるぜ!!」
正直調査兵団を取り巻く状況は芳しくない
その為にも
とフラゴンは続ける
「確かなことは1つ。この新陣形の成果が我々の今後を左右することになる。必ず成功させて次への道標とするぞ!」
「おう!」
「なんだマグノリア。ちゃんと敬礼できるじゃないか。もう俺に恥をかかせないでくれよ」
敬礼したイザベルと目を合わせるように前かがみになったフラゴンは
ふっと優しく笑いながら言い、サイラムを連れ戻っていった
「あ…」
無意識でした自分の行動に驚き
思わずリヴァイ、ファーラン、リアの方を見ると
男2人は少し面白くなさそうな顔で
リアは可愛い妹を見るような顔で
イザベルを見つめていた
「イザベル、もうすっかり調査兵団だね。」
眠りについたイザベルの頭を撫でながら
リアが微笑む
「はぁ…お前らが心臓を捧げるとか言い出す前に書類を奪う計画を立て直さなきゃな」
「調査兵団の兵士達は皆んなそれぞれ信念を持ってる。…そして自由を求めてる。私たちが魅力を感じるのもおかしくないよね」
ため息を吐きながら呆れて言うファーランに
イザベルの気持ちも分かるとリアは言った
それを無言で見つめるリヴァイ
「あれだけ完成された陣形だと隊列を離れただけでも目立ちそうだ。壁外調査中に書類を奪うのは諦めた方がよさそうだな」
「そうだね。とりあえず初陣は生きて帰ることに集中しましょ」
「…ああ」
良かった、今回の計画は延期になりそうだ
何だかんだ調査兵団に対してイザベルと同じく
魅力を感じてきていたリアは
4人一緒ならもうここで生きていくこともありなんじゃないか?と
少しずつ思い始めていた
「私もそろそろ寝るね。2人も早く寝なよ?」
数ヶ月訓練をしてきたとはいえ
流石に疲れていたようだ
脳が、もう限界だとばかりに
眠気を誘ってくる
リアがすぐに眠りについたのを見て
「リヴァイ、話がある」
ファーランは今まで見た事のない
真剣な表情でそう言った