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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第6章 ♢悔いなき選択♢




一方リヴァイは

腕を組み壁に寄りかかりながら
今回の依頼の困難さに少し後悔していた

一筋縄にはいかないと思ってはいたが…

初めて見た巨人…特に奇行種の動き
リヴァイだったらどうにか出来るかもしれないが
3人が対処することになったら?
彼らに実力がある事はリヴァイが1番分かっているし
今日までの訓練も見てきた
特にリアの成長は眼を見張るものがあった
…だが、心配なことには変わりない

「クソ…早くしろ」

考えてもここは壁外
出来ればもうここには来たくない
その為にはこの壁外調査中に
書類を奪い可能であればエルヴィンを仕留める
そうすればいい話だ

リヴァイがそう思っていると

ーコツッ

「!」

エルヴィンが現れた

「こんな所に一人でどうした。部下は一緒じゃないのか?」

エルヴィンは少しバツが悪そうに
顔を歪めたリヴァイを見て言った

「…部下じゃねぇよ」

「…そうか」

「…」

3人は部下ではないと否定したリヴァイは
どう足止めしようかと考えていた

「どうだ、兵団にはもう慣れたか?」

少しの沈黙の後話を切り出したのは
エルヴィンだった
そして今日の巨人討伐について
見事だったと褒め称え
お前ほどの才能がいれば他の団員も心強いだろうと
力強い眼差しで言った

「…あの時、先に戦って食われた兵士がいた。俺はそいつを食っている巨人を見て戦い方を工夫する事ができた」

エルヴィンの熱意ある言葉に驚き
思ったことを口にするリヴァイ

「…そうか、お前のいう通り調査兵団は数え切れない犠牲の上に成り立っている。私達はまだ外の世界について知らない事が多すぎる。」

リヴァイの言いたいことは分かる
だが、と話を続ける

「世界を人類の手に取り戻すためなら、その礎として心臓を捧げることに悔いはないだろう。誰一人として」

ードクン

リヴァイの心臓が跳ねた
この男はなんだ?
その強い眼差しの先に何を見ている?

思わず眼をそらせずにいると

「兄貴!」

イザベルの声が聞こえ我にかえる
着替えが終わった、と適当な理由を大声で言う彼女の元へ向かう

「…なんってぇ理由だ馬鹿」

「へへっ、ワリイ!無言で睨み合ってるからヒヤヒヤしたぜ」

ボソッと言うリヴァイに
頭を掻きながら返事をするイザベル

その背中をエルヴィンはただ見つめていた


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