第5章 ♢調査兵団♢
ーブルンッ
久しぶりの乗馬に胸が高鳴る
更にその馬はエリーゼなんて
こんなに嬉しいことはない
エリーゼも同じ気持ちなのか
嬉しそうに何度も鼻を鳴らしている
「おぉ!?」
「危ないわ!少しは落ち着きなさい」
イザベルは女兵士に指導して貰い
なんとか馬に乗れたようだ
リアは詳しい事は言わず
乗馬の経験だけあると言うことを伝え
イザベルについてもらうよう頼んだのだ
今までエリーゼとは決められた距離の
速さを競うことしかして来なかった為
長距離走ったり旋回したりする事は
全くもって無経験だ
とりあえず今日はコースを走ろう
「行くよ、エリーゼ」
リアの声にヒヒンッと返事をし走り出す
「あの子は一体…」
遠くで見ていたエルヴィンが
一般兵士以上に馬を乗りこなす
リアを見て小さく呟いた
「俺も負けてられねぇな!」
イザベルはリアが颯爽と走る姿に
驚き、気合いを入れ走り出す
「貴方達…何者なの…?」
女兵士は自分より乗りこなしているリアと
あっという間に上達していくイザベルを見て
思わず呟いた
コースを終え戻ってきたリアと
ある程度乗れるようになったイザベルに
今日の訓練は終わりだと伝え
「貴方達…凄いわね、上官や皆は地下出身だからって悪く言うけど…地下で生きるのも大変だったんじゃないの?」
と女兵士は言った
彼女がリア達を見る目が変わった事に気付き
イザベルはうーん、そうだなー
と自分の過去を話し始めた
「俺は生まれも育ちも地下だからゴミまみれなのが当たり前だったけど、死にそうな所を兄貴に助けられてからは少しマシになったかな」
イザベルとリヴァイの出会いは
リアも知らなかった為少し驚くが
「兄貴って…あのリヴァイって人?目つき悪いし常に不機嫌そうな人でしょ?」
彼に優しい心があるなんて
と女兵士は更に驚いていた
「意外だと思いますが、彼は誰よりも優しい心を持っているんですよ」
私も彼に助けられました
ふんわり笑いながら
そうリアが言うと
「人は見かけによらないのね」
と微笑んでくれ
同じ班同士仲良くしましょうと
握手をしてくれた