第5章 ♢調査兵団♢
そう言い男の腕を掴んだのは
リヴァイだった
「ゴロツキごときが!先輩に楯突くんじゃねぇ!」
男は掴まれた腕を振り払おうとするが
ビクともしない
更に鋭い三白眼に睨まれ怖気付く
「お前…覚えとけよ」
仲間のところに戻っていった男を
最後まで睨んでいたリヴァイだったが
その目をリアに向ける
「リア…てめぇ何煽ってんだ」
「え、なんの話?」
はぁ…
まさか無意識だとは思っていなかったが
とリヴァイはため息をついた
「2人は先に行かせたから後を追うぞ」
なんだか呆れた顔で踵を返したリヴァイに
?が浮かぶリアだったが
助けてくれたことには変わりないので
ありがとうとお礼を言った
リヴァイは何事もなかったかのように
あっけらかんとしているリアを見て
これから余計な心配ごとが増えそうだと
また深いため息を吐き、頭を抱えた
しばらく歩くと屋上に続く階段が現れ
最後まで登り重たそうな扉を
リヴァイが開くと
目の前に広がる満天の星空
今まで見た星空の何倍も綺麗な
その光景に目を奪われる
「兄貴!リア!こっちだぞ〜!」
「ファーラン!イザベル!」
先に来ていた2人は屋上の淵に座り
ヒラヒラと手を振っていた
「リア、なんか絡まれてたみたいだったけど平気だったか?」
「うん!目新しいからって冷やかしで話しかけてきたんだと思う。リヴァイに助けられちゃった」
リアのその発言に
「リアは自分の見た目のことが分かってない!」
と怒るイザベルとため息を吐くファーラン
何故怒られているのか分からないリアだったが
そんなことよりも、と星空を見上げた
「本当に綺麗…」
「リアのいた世界の星空よりも?」
「うん、ずっと綺麗」
星空を見上げるリア達は
地上に出た事を実感し
依頼遂行に更に力を入れようと決意した