第4章 ♢844年♢
一通り仕事を終え
4人が基地に帰ると初老の男が待ち伏せしていた
「仕事を頼みに来た」
男はしっかりとした身なりの紳士で
リヴァイらを確認して仕事を依頼してきた
「帰れ」
明らかに怪しい雰囲気に
リヴァイは迷わず断りを入れた
「すでに前金は支払ってるんだがね、彼のことは知っているはずだ」
そう男が指差した先には足が悪いようで
引きずるように歩いている若い男が
男の仲間に馬車で運ばれて行くところだった
「…あの人は誰?」
リアは訳がわからず聞くと
「アイツは…かつての俺らの仲間だ」
ファーランは苦虫を噛み潰したような顔で答えた
「人質代わりか…クソが」
リヴァイは苛立ちを隠しきれず
男を睨みつけながらも
仕方なく仕事の依頼を引き受けた
「では…主人にお会いして頂きます」
4人は案内され
始めての地上への階段を上り
依頼人の男と顔を合わせた
微かに見える空が美しい
元の世界と変わりない空に喜びを
感じていたリアだったが
依頼者の声で我に帰る
「仕事に成功した場合、お前達が受け取るのは莫大な金だけじゃない。地上の居住権だ」
その言葉に4人とも目を丸くする
夢への近道が目の前に降りてきたのだ
「1つ言っておく。お前たちがこの仕事をやるやらないにかかわらずターゲットは接触してくるだろう」
つまり、無関係ではいられないということだ
と依頼人の男は言った
「…奴らって?」
リアが小声でファーランに聞くと
「調査兵団だ」
と嫌そうな顔をして答えた
「調査兵団…?」
初めて聞くワードに頭に?が浮かぶ
憲兵団とは違うのか?
「前にここの地上には壁があって、その外には巨人がいるって話をしたことあるよな?その巨人達のところにわざわざ出向いて殺したり研究したりしてるへんな奴らの集まりだ」
人類の自由のために心臓を捧げると
そいつらは言ってるがな
とファーランは少し呆れ気味に話した