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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第3章 ♢地下街♢





ーバシュッ
ーバシュッ

いつもリヴァイは仕事等で忙しく
リアが基地から出る時はたまにファーランと行くこともあったが大体はイザベルと行っていた

基地を出てから無言で飛ぶリヴァイに
とりあえず付いてきているが
既に周りは見たことのない景色で
少し不安になる

「ねぇリヴァイ…どこに向かってるの?」

思わず声を掛けると同時に
リヴァイの足が止まった

「ここで暮らしていく以上、これから行動範囲が広まるだろう。その時に分かったじゃ遅せぇから地下街の危険さを今日は見せてやる」

そう言って指差した先を見て絶句した

今にも生き絶えそうな人や
ボロ雑巾のような衣服を身に纏い客引きをする娼婦
薬を打ったのか急に高笑いしだした男

「なに…これ…」

地下街について今までファーランやイザベルに
危険だ危険だと何度も言われてきたが
基地周辺には特に何も無く平和だった為
あまり意味が分かっていなかった
寧ろ地上にいる巨人の話をされた
時の方がよっぽど怖く
3人が地上に行きたい気持ちに
あまり共感出来ていなかった

だが、これを見て確信した
この世界に平和な場所は無いのだ
今まで彼らが意図的に見せずにいただけで
実際はすぐ近くにこの地獄絵図のような
現実が存在していたのだろう

そして恐らくここは地下街の中の
スラム街のような場所なのだろう

「死んでいる人間、死にかけている人間。そんなのはザラにいる。大体の奴は頭がイカれてやがる。これが地下街の現状だ」

リヴァイは汚いものを見るような目をして言う

「お前が1人でその辺をプラプラ歩いてたら、一瞬で襲われるか、売られるか、殺される」

その発言にゴクリと生唾を飲む

「…なるべくお前を基地の外に出すつもりはない。だが、先に言っておかねぇと何が起こるか分からねぇからな」

リヴァイはそう言うと
リアの頭にポンッと手を置き
行くぞ、と来た方へ踵を返した

元の世界では勿論見たことの無い光景に
目が離せなくなっていたリアだったが
リヴァイの忠告を耳に焼き付け
急いで後を追った








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