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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第3章 ♢地下街♢





リアが持っているポットには見覚えがある
リアがこちらの世界に来て初めて目を覚ました時に
色々と質問した不思議な荷物の中にあったものだ
あの時リアは淡々と説明していたが
確か紅茶の茶葉もあったはずだ

この世界にも紅茶はあるがなかなか高値で売られている嗜好品な為
リヴァイは今まで飲んだ事がなかった
話を聞いている時には特に興味もなく流していたが
こんなにいい香りがする物だと分かったら今すぐにでも飲んでみたいと思った

「俺にも入れてくれるか」

「リヴァイも紅茶好きなの?ってかこの世界にも紅茶あるんだね!良かった〜!待ってて!もうすぐ蒸らし終わるから!」

リヴァイも紅茶が好きなのだと知り嬉しい気持ちと
自分が持っていた茶葉が終わってしまっても手に入るのだという喜びの気持ちでルンルンしながら
戸棚からリヴァイのカップを出し準備し始めた


ーポタッ

「どうぞ」

最後の一滴まで入れリヴァイの目の前にカップを置く
リアの持ち歩いているティーセットは1人用な為
今度は自分の分を入れようとまたカチャカチャと音を立てて準備をし始めた

ーフワッ

カップを持ち上げ近くで嗅ぐと更に深い香りがする
口をつけると芳醇な味わいが広がった
なんて美味いんだ

「どう?淹れ方私流なんだけど…って何そのカップの持ち方」

「あぁ、悪くない」

リヴァイがカップで飲む姿を初めて見たリアはなんだか危なっかしい持ち方に思わず突っ込んだが
心なしかリヴァイの口角が少し上がって見え
そして褒め言葉が聞けたからいいとしよう


この言葉が褒め言葉だと教えてくれたのはイザベルとファーランだ

少し前の夕飯でオムライスを作ったリア
イザベルとファーランは
「美味い美味い」と言いながら
ガツガツと食べてくれてとても嬉しかったのだが
その隣で何も言わず食べるリヴァイを見て不安になり
口に合わなかったかと思い聞くと
「悪くない」と返事をされた

その返事にイマイチだったのかなぁと少しヘコむと
「それがリヴァイ(兄貴)の褒め言葉だから!」と
2人に食い気味に言われたのだ

素直に美味しいって言ってくれればいいのに…
そう思いながら自分の分を入れ直したリアは
リヴァイの横に座り、自分の入れた最高の紅茶を飲んだ




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