• テキストサイズ

【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第10章 ♢副兵士長♢





「リヒト!ちょっと手、痛いよ!」

「す、すみません!リアさん!すみません!」

リヒトに手を引かれるまま
エルヴィンの執務室を出たが
そのままグイグイ引っ張られる腕が
流石に痛くなった

「大丈夫だよ…どうしたの?」

「すみません…実は私、力や感情の加減と言うものにイマイチ疎くて…」

治療や手術なら大丈夫なのですが…と
申し訳なさそうにいうリヒトの頭を
思わずポンポンと撫でる

今まで接した事のないタイプのリヒトに少し動揺したが
何か事情があるような気がして
そのままリヒトを見つめていると

ポツ…ポツと俯きながら
自分の過去について話し始めた

孤児院出身だと言うこと
虐待をされていて病院に引き取られたこと
そこで医療について学んだこと
そして病院に居られなくなり訓練兵団に入ったこと

全てを話し終え顔を上げたリヒトは目を見開いた

リアがボロボロと涙を流していたのだ

「リア…さん?」

「リヒト…大変だったね…」

その言葉にリヒトは思わずリアに抱きついた
リアは驚いたがそのまま抱きしめ返し

「リヒト、話してくれてありがとう。私たちはもう家族だよ。あなたは一人じゃないからね」

そう声をかけると
リヒトの腕の力が強くなったのを感じた

「リア…さん、リアさんっ!」

リヒトは子どものようにリアに縋り付き
涙を流しながら名前を呼び続けた


/ 115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp