第10章 ♢副兵士長♢
「そうカッカするなと言ってる。リアはまだお前のものじゃない。そうだろ?」
「…何を言っている」
「しらを切るのか?…まあいい。彼はああ見えて医療の腕は群を抜いている。だが立体起動は正直一般兵並だ。リアに指導されることによって彼が伸びるのは間違いない。リアも然りだ」
だが…
とエルヴィンは困った顔をして続けた
「彼があんなにリアを気に入っているとは、少し誤算だったな。…考えてみれば話をした時も、珍しく感情を出して喜んでいたか」
「…エルヴィン、分かるように説明しろ」
「彼は孤児院出身で彼が訓練兵団に入った経緯は分からないがその時から医療技術を身につけていたそうだ。医療班の前班長が絶賛していた。…だが、彼は感情のコントロールが苦手なようで、何度か班員とトラブルがあったようだ」
「そんな奴の側にリアを置くのか?」
思わず怒りが滲み出て殺気立つリヴァイ
「落ち着け。ハンジを見張りにつけている」
「ハンジを?」
「今まで医療班を一番近くで守っていたのがハンジのいる班だった。彼についての報告もハンジから何度か受けている。彼女の目があれ大丈夫だろう」
納得のいかないリヴァイだったが
ハンジの監視があるなら少しは信用できるかと
チッ…と舌打ちをし
明日から自分の班に編成する3人に話をしてくる
と執務室を出ていった