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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第10章 ♢副兵士長♢





「すみません、リアさん。思わず取り乱しました」

落ち着きを取り戻したリヒトはそういうと
医療班の執務室に招き入れた

執務室内には持ち出せる大きさの
様々な医療器具が置いてあり
普段の壁外調査に持っていく物と
遠征用の物など説明してくれた

先程取り乱して泣いていた姿が
思い出せなくなるほど
テキパキと分かりやすく説明する

一通り説明を終え

「お茶淹れてきます」

ここに座って下さいね
とソファを指差し部屋を出ていった

リアは改めて部屋を見渡すと
綺麗に整頓されている本棚が目にとまる
こちらの医療の本など読む機会も無かった為
興味津々で手に取ると
その後ろに隠すように置いてある本を見つけた
思わずその本を取り開くと

「…人体実験?」

人の体について様々な実験をした
実例や実験方法が載っている本だった
調査兵団において人体実験など必要無いはずだが
興味本位で持っていたのだろうか?

何か見てはいけないモノを見てしまった
罪悪感に苛まれ急いで元の場所に本を戻した

手前にあった本を取り、そのままソファに座る
本を開くとこの世界の医療についてや
持ち運びの器具で出来る治療法など
これからの為になる事ばかり載っていた


ーガチャ


「おかえり。ねぇ、この本借りてってもいい?」

お待たせしました
と紅茶をリアの前に置きながら
リアの持つ本を見たリヒト
そして一瞬本棚を見て瞳が揺らいだのを
リアは見逃さなかった

「ごめんね、勝手に本棚触っちゃって…」

「いえいえ!とんでもないです!」

謝ったリアにリヒトは急いで否定すると
紅茶お好きですよね?と進める

「ありがとう!よく知ってたね?」

「リアさんを尊敬してますから!」

そう言ったリヒトの瞳に尊敬以外の何かが
映っているように見え
リアは思わず目を逸らした

その後はこれからの医療班の方針や
訓練の参加について話し合い
リアはあくまでも医療班の補佐と言う事を伝え
明日からはリヴァイ班としての訓練を終えた後
医療班と訓練するという事になった

じゃあ、とリアが部屋を出た後



「リアさん…欲しい…」

リヒトが薄ら笑いを浮かべそう呟いた声は
誰にも届かなかった




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