第10章 ♢副兵士長♢
ーコンコン
「リア、俺だが」
ノックと共に聞こえたのは
寝れなかった原因のリヴァイの声だった
「は、は、はいっ!」
思わずどもってしまった自分が恥ずかしい
ささっと身なりを整えドアを開ける
「…どうした?今度はお前が体調不良か?」
スッカリ本調子そうなリヴァイが
不思議そうな顔でリアを見た
もしかして…寝言だったから
記憶ない的な感じかな?
それならそれでとりあえず良かった
どう顔を合わせればいいか
分からなかったリアは
思わずため息を吐いた
「?」
リヴァイはよくわからないリアの反応に
頭に?を浮かべるが
伝える事があったと思い出し話を変えた
「俺の班の話だが、3名選出した」
目を通してくれと書類を渡す
「もう選んだの!?」
いつそんな時間があったのかと驚きながら
その書類に目を通す
ジル・サイラス
彼はミケに続く実力者だとリア達が調査兵になる前から言われていた逸材で討伐数は驚きの数字だ
だが気まぐれな性格故に班長や分隊長などの肩書きは持っていない
「ジルさんか…遠目でしか見たことないけど、訓練で少し見た時のスピードが群を抜いてた」
「あぁ、取っつきにくい奴だが群れる為の班じゃねぇからな、実力重視だ」
雑魚はいらねぇ
そう言うリヴァイに
もう…と呆れるリアだったが
次の書類に目を通した
グンタ・シュルツ
リア達が調査兵団に来た年の春に入団した兵士だ
彼は冷静に周りを見る事が出来るのか
討伐数もさる事ながら討伐補助数が先輩のジルを上回る
「グンタは前一緒に訓練した事あるけど、真面目で凄くいい子だった!」
「…あぁ」
知っている顔があり喜ぶリアに
自分で選んでおきながら少し後悔するリヴァイだった
そして最後は