第10章 ♢副兵士長♢
「…っ…」
朝日を感じ目覚めると
ベットに横になっていた
体調は…すっかり良くなったようだ
周りを見渡すがリアの姿はない
昨日の記憶を呼び起こすが
自分が柄にもなく体調を崩し
リアに看病してもらったこと
エルヴィンが来てもどかしいと言われたこと
リアの気持ちに感謝し礼を言ったこと
その後は…そのまま寝てしまったのか?
「…チッ」
リアの前ではどうもカッコつかないと
リヴァイは思わず舌打ちをした
一方リアはというと
「全然寝られなかった…」
顔を赤らめ窓の外が段々と
明るくなるのを眺めていた
昨夜リヴァイに珍しくお礼を言われた後
嬉し恥ずかしさでアタフタしていると
無言で俯いてしまったリヴァイ
思わず顔を覗き込むと
「…寝てる?」
余程疲労が溜まっているのか
そのまま寝てしまっていた
病み上がりだと言うこともあるし仕方ないか
そう思いすぐ横の布団まで運ぼうと
リヴァイの腕を肩に回し立ち上がった
「おぉっと!」
すぐ近くだからと思ったのが間違いだった
床から運び上げるのも一苦労だったことを忘れていた
重さに耐えられず思わずベットに転がり
その上からリヴァイが被さった
「ぅ…」
リヴァイは少し唸ったが
そのままリアの上に乗っている
「私は何をやってるんだ…」
思わずため息を吐き
なんとかリヴァイの下から抜け出し
布団に横にさせた
「ふぅ…」
もう看病は必要ないだろう
私も部屋に戻って休もう
そう思い、リヴァイの食べた食器を持ち
部屋を出ようとした瞬間
「リア……」
リヴァイの声が聞こえた
目を覚ましたのかな?
そう思い顔を覗くと寝ている
また寝言で自分の名前を呼んでくれるとは…
リヴァイも私の事を好きなのでは?と
錯覚してしまう
「リア…好きだ…」
「!?」
そんなわけないない
と自分の高望みに呆れようとした瞬間
リヴァイからとんでもない言葉が発された
思わず部屋から飛び出たリアは
食器を片付け自室に戻るも
高鳴る胸を抑えられず今に至るのだった