第10章 ♢副兵士長♢
少し前に目が覚めたリヴァイは
今まで聞いたことのなかった
リアの過去に静かに耳を傾けていた
自分がどうなったか分からないが
身体がまだ怠い
目だけを動かして周りを見ると
看病をしてくれていたのか
何度も変えたであろうタオルが
ベットの傍にある机に乗っているのが見えた
エルヴィンの提案に
涙を流し喜ぶリアに
ありがとうと心で伝え
もう一度目を閉じた
「それと…君達には早く結ばれて欲しいんだ」
急に聞こえたエルヴィンのその発言に
思わず目を閉じたまま耳を傾けた
「え?突然何の話?」
思わず涙が止まったリアは
突然のエルヴィンの発言に質問する
「見ている私たちはもどかしくて仕方ないんだ」
はぁと溜息を吐きながら
エルヴィンはそう言うと
「頼むよ、リヴァイ」
起きているんだろ?
とリヴァイに向かって言った
「…いつから気づいてた」
そう言ってゆっくりと身体を起こす
「リヴァイ!目が覚めたんだね!」
体調はどう?
と心配そうに近寄ってくるリア
エルヴィンの言葉の意味が気になるが
「ご飯食べられそう?エルヴィンが持ってきてくれたよ」
そう言って差し出された飯に
ぐ〜と腹が返事をした
「ハハッ、腹が減るくらいならもう明日には回復しているだろうな」
エルヴィンはそう笑うと
私はそろそろ行くとするよ
と食べ終えた食器をまとめ立ち上がった
「リア、医療班の件は明日私から班長に話しておく。次の壁外調査から頼むぞ」
「はい!」
リアが姿勢を正し敬礼すると
エルヴィンは優しく微笑み
部屋を出て行った