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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第10章 ♢副兵士長♢




ーコンコン

「リヴァイ。私だが」

エルヴィンは執務を終え
リヴァイが体調を崩したと聞き
様子を見に来たが…返事は無い

「…入るぞ」

ドアノブを回し中に入ると

恐らく寝ているリヴァイの手を握りながら
すやすや眠っているリアの姿が見えた

静かに近づきリヴァイの顔を覗き見ると
落ち着いた表情と呼吸をしている
恐らくリアが夕飯も食べず付きっ切りで
看病していたのだろう

「…全く君達は、私を心配させる天才だな」

呆れた顔でそう呟くと
何かしら夕飯を持ってこようと
静かに部屋を出て食堂に向かった

ーガチャ

扉の閉まる音で
ハッと目が覚めたリアは
周りを見渡す

「…寝ちゃってたんだ」

全く気がつかなかったが誰か
リヴァイの様子を見に来たのだろうか
ふと
自分の手元を見ると
リヴァイの手をガッシリと握っていた

「!」

この姿を誰かに見られたなんて
そう焦り急いで手を離した

「ふぅ…」

やっと落ち着きリヴァイの額に触れる
熱は…下がったようだ
呼吸も落ち着いている
予想外の治りの早さに驚くが
流石はリヴァイといったところか

もう汗はかいていないが
一応新しく濡らしたタオルで顔を拭いていると


ーガチャ


扉の開く音が聞こえた
そちらを見ると

両手にお盆を乗せたエルヴィンが立っていた

「エルヴィン!」

「なんだリア、起きたのか」

起きたのか
という事はさっきここに来たのはエルヴィンか
彼なら別に大丈夫か
と安堵から溜息をつく

「ご飯持ってきてくれたの?」

「あぁ。その様子じゃ何も食べていないかと思ってね」

その言葉を聞くや否や
ぐ〜っと音が鳴るリアのお腹

「…お腹すいた」

「ハハッ、ちょうど良かったな」

リアとエルヴィン
そして一応と持ってきたらしい
リヴァイの夕飯をテーブルに並べ

「いただきます」

早速夕飯を食べ始めた
初めてエルヴィンと食事を共にしたが
なんとも美しい所作に

「エルヴィンって…貴族?」

思わず問うと
ブッとまた吹き出すエルヴィン

「…失礼。君の言うことはいつも突拍子も無い事ばかりだな」

「だって、一つ一つの所作が綺麗だし、言葉遣いも丁寧で、兵士より紳士って感じだからさ」



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