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【進撃の巨人】trapezium【リヴァイ】

第10章 ♢副兵士長♢





「疲労による熱でしょう」

リアも自分の知る限りの方法で
リヴァイの様子を診たが
医者のその言葉にホッと一息つく
何かしらの病気だったらどうしようかと思った

なんだかんだいつも心配をかけて
陰で見守ってくれているリヴァイ
今回の壁外調査でもかなりの数の巨人討伐と
兵士達の援護をしていた
…身体が偶には休めと言っているのだろう

「いつもありがとうね、リヴァイ」

ゆっくり休んで
と額に冷たくしたタオルを乗せて言う
薬を処方してもらってから
少なからず顔色が良くなった
この世界の医療がそれなりに進んでいることに安心し
自室に戻ろうと椅子から立ち上がった

「…リア…」

リヴァイの掠れた声が聞こえ
慌てて顔を見ると
寝言だったようでそれ以上は何も言わず
少し乱れた呼吸音のみ聞こえた

「…そばにいるね」

思わず胸が熱くなり
椅子に座りなおした

汗で顔に張り付いた髪をどかし
そのまま頭を撫でると
落ち着いたように表情から強張りが取れた

「…可愛い」

こんな時に不謹慎だと
ハッと手を口に当てたが
そう思ってしまったものは仕方ない

いつも不機嫌そうに眉をしかめ
鋭い目つきで無愛想にしている彼が
調査兵団一の実力者として兵士長となり
いざ巨人を目の前にすればあっという間に
仕留めてしまう彼が

こんなにも弱々しい

「…治るまでここにいてもいい?」

リヴァイからの返事は無いが
誰か他の人に彼の今の姿を見て欲しく無い

リアは暫くこの部屋でリヴァイの看病をする事にした


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