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【黒子のバスケ】お菓子みたいに甘い人

第3章 浮気…じゃない?


ー『次の日曜は部活休みだしーどっか遊び行く?』
ー『うん!』
なんて会話がされたのは先週の始め。

デートの日。

映画でも観に行こうという事になり、その後は映画の感想をお互い言い合いながらランチをする。
「美味しかったね。お腹いっぱい!」
「チサトちん少食過ぎーそんなんで足りんの?」
「うん…もう食べられないよ。」
「…お菓子は入るのにねー不思議だねー」
「そこは…別腹なの!」
ププッと2人で顔を見合わせて笑う。

じゃあ次は…と移動しようとしていると

「紫原くんよね!?」
「…あ、手作りお菓子の…」

この前はありがとうと綺麗なその人は笑顔で言い、近付いて来ながらチラチラこちらを窺うように見てくる。

「…それで…」
「あー…」

まるで内緒話するみたいに目の前で交わされる2人の会話に

「敦くん。その人と話しあるんでしょ?…私もう帰るね。」
「え?チサトちん?」
「今日は…ここで。バイバイ」
「ちょっ…チサトちん!!」

待ってよ!チサトちん!と言う敦くんの声を背に受けながら走ってその場から離れる。

走りながら涙が溢れてくる。

浮気?…あんな綺麗な大人の女性と…いつから

だって知らないもの…いつの間にかあんな人と知り合って知らないところで会ってたなんて

こんな子供っぽくて素直じゃない女…当然…なのかな。

そう考え至ると走っていた足も自然と重くなる。

ー『ねぇーこのお菓子好きなの?オレも好きなんだけどー』
ー『…うん。一緒に食べる?』

ー『ねぇーチサトちんの事好きなんだけど。チサトちんは?』
このお菓子好きなんだけど、くらいの感じで告白されて

ー『…え、うん。私も多分一緒。』と可愛くない返しをして始まったお付き合い。

本当は素直に気持ちを伝えてくれる敦くんに同じように返したいのに恥ずかしさが勝ってしまう。

そうやって目を背けて敦くんの優しさに甘えてたから…こんな事になるんだ。

今日は付き合って1年記念の日なのに。

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