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【黒子のバスケ】お菓子みたいに甘い人

第2章 フェミニスト


「おーい!そっち回れ」
「紫原!ダルそうにすんな!」
「…うっせーし。」
「もっと走れ!」
ピピーッ

「「ありがとーっした!!」」
「みなさん!こっちで水分補給しっかりして下さいね!」
ーおお悪いな!ーおつかれアル!と口々に声を掛けてくれながら練習を終えた皆んながこちらへ向かって来る。

敦くんバスケは好きじゃないなんて言ってるけど、気怠げにしてても目はギラギラしてるし、なんだかんだで負けたくないからって練習は絶対休まないんだよね。

みんなにタオルを手渡していると背中にズシっと重みを感じる。
「チサトちんーオレのは?」
「はい!おつかれさまー敦くん。」
「…拭いてー」
「もーじゃあ、しゃがんで。」
「んー。」
背の高い彼は背中を丸めて私が拭きやすいようにしゃがんでくれる。

ーまーたやってるアルよ!
ー拭いてもらう時の紫原のドヤ顔!
ーうらやましい!
ヒソヒソとみんな何かを言っている気がする。

「…はい!終わり。片付けがあるから、体冷える前に着替えてね。」
「んーじゃーあとでねー」

みんなのドリンクボトルや汚れた道具など洗い戻ろうと
「よいしょっ…と」カゴを持ち上げた途端に急に重みが消え横からスッと現れたのは

「オレが持つよ。」
「!氷室先輩。いいです…そんな」
「いいから。こういう時女の子は甘えてたら良いんだよ。」
「あ、ありがとうございます。」
色気たっぷりに照れもせず真面目な顔して言う氷室先輩にフェミニストっぷりに彼女になる人は大変そうだなとか思いながら、お言葉に甘えさせてもらう。

「…あー室ちんズルいー!」
「悪い悪い。たまたま見かけたから手伝ってただけさ。」
着替えを終えて出てきた敦くん。
ハハハッと苦笑いしながら答える氷室先輩にムスッとしながら突っかかる姿はまるで兄弟のようだ。

「室ちんはタラシだから気をつけてー」
「…心配しなくても氷室先輩は私なんか興味ないから大丈夫だよ。」
「分かんないじゃんーチサトちん可愛いしー」
「ありがとう。そんなこと言ってくれるの敦くんだけだよ。」
帰り道。そんな会話を交わしながら思う。

いつも素直に思ったことを言ってくれる敦くん…私はそれに対して半分も返せてないんじゃないかな?

本当は大好きだよって言いたいのに。
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