第7章 デート

『ん…っ』

梶さんは私の頭を抱えて

さらに深い口づけをする


『ふ…っ、んっ、ん…』


初めての感覚に頭がくらくらする


少し目を開けてみると


「んっ、あ…、ふ…っ」


梶さんは顔が紅潮し

とても気持ち良さそうだった


すると


『！』


梶さんも目を開けたもんだから

目が合ってしまった


梶さんは私から唇を離した


「随分と余裕そうじゃん…」

『いや、余裕は全くなくて！
ただ、梶さんはどんな顔してるのかな～ってちょっと気になっただけで！』

「言い訳無用

…今度は梢ちゃんからキスして？」

梶さんは楽しそうに笑いながら言った

『梶さんって、ほんとはドSですよね…』

「何か言った？」

『いえ！何でもありません！』

「ほーら、早く」

『あの…目を瞑ってもらっていいですか…？』

「しょーがないな、ん」

梶さんは私のお願いを受け入れ、素直に目を閉じてくれた


だけど、自分からキスした経験は無いので、どうすればいいか焦っていた


(あ、さっき梶さんにされたことを真似すれば…)


私は梶さんの頬に手を当て、

静かに唇を合わせる

「ん…」


そして、先ほどされたみたいに

梶さんの頭に手を回し

もっと深くキスをする


(ええと、確か、舌をこうして…)


頭で考えながら少しずつ先に進む


「んっ…梢…ちゃ…」


(で、次はここをこうやって…)


「ん…ちょ、まっ…」


(あと、ここにこう、それで)


「ちょ、ストップ！！」



梶さんは突然私の肩をつかんで引き剥がす


『え…私、下手でしたか？』

「いや、ちがう、その逆…」

『逆…？』


梶さんは顔を真っ赤にしながら


「梢ちゃん、キス…上手すぎ…」


恥ずかしそうに言った


「ほ、ほんとですか！初めてだったんですけど、さっき梶さんにやってもらったのを真似したんです！」

「え、俺の…真似？」

『はい！』

「俺…こんなに…」

『はい？』

「いや、何でもない」


そう言って梶さんは私の頭を撫でた

『ありがとな』

「…はい」


私は嬉しくて思わず顔が緩んだ


「風呂わいてる
先に入んな」

『それじゃあ、お先です』

私はリビングを後にして
お風呂場に向かった