【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第3章 斧手のモーガン
血相を変えた弟子の一人が、襖を乱雑に開けて寝間に飛び込んできたのは、翌朝の事だった。
「ゾロ‼大変だ‼くいなが‼」
「家の階段で転んで...
死んだ!!!」
一瞬、理解できなかった。
言葉の意味を、掴みかけると同時に、信じられないという思いが、おれの思考を突き放す。
真っ白になった頭のまま、亡骸の所まで、つれられる。
顔に伏せられた白い布を目にした途端、激情が雪崩れ込んできた。くいなの所まで行って、揺すり起こそうと踏み込むと、葬儀に参列していた大人に引き止められ、腕を取られた。
「畜生ォ‼お前きのうおれと約束したじゃねェかよ‼
逃げんのかよ、くいなァ!!!」
「おいゾロよせ‼」
結局、追い出された。
重い体を引きずって、竹刀を一本引き抜く。
竹刀を振り上げる。下ろす。
上げる。下ろす。
「........」
上げる。下ろす。
「..............」
竹刀を放り上げる。軽い音を立てて、石畳の上を、転がっていった。
何もする気が起きない。縁側に座って、何となく空を眺める。
飯も食わずに、形が変わっていく雲を無心に目で追っていると、段々、赤くなってきている事に気づいた。