【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第3章 斧手のモーガン
「本当はさ...くやしいのは私の方...」
庇の下の段差に腰掛けて、あいつは、ポツリと、そう漏らした。
「え⁉」
「女の子はね、大人になったら男の人より弱くなっちゃうの...。
私ももうすぐキミ達に追い抜かれちゃうわ......。ゾロはいつも言ってるよね...」
「世界一強い剣豪になるって。女の子が世界一強くなんてなれないんだって...パパが言ってた......‼」
じっと聞いていると、段々あいつの声が滲んで、涙がうっすら浮かぶ。涙の膜が盛り上がって、瞬きしたら、零れていった。
「ゾロはいいね、男の子だから。
...私だって世界一強くなりたいよ‼」
「胸だってふくらんできたしさ...、
私も男に生まれてくれば...」
胸を押さえて、俯く姿が、見てられなくなって、怒鳴った。
「おれに勝っといてそんな泣き言言うなよ!!!
卑怯じゃねェかよ‼お前はおれの目標なんだぞ!!!」