【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第3章 斧手のモーガン
「うあーーーっ‼」
「やーーーーーっ‼」
おれ達は、同時に駆けた。
刀を振る。
振った時の手の中の反動は、竹刀とは比べ物にならない。
刃先が一際高くがなる。鎬の上で、刃が跳ねる。堅い物を打ち付け合う感触。
片時も逃がすまいと、遮二無二、あいつの太刀筋の速度を、追いかける。
弾く、音。
手の中の厚みが、消え失せる。一瞬、思考が飛ぶ。すかさず意識を引きずり戻さんとそれは、光を翻し、目尻スレスレに貫いた。
生温い温度と尖った空気が、肌を突き通す。
背中には、堅い地面。
冷たい色を乗せた、光の柱。その向こうで、黒い瞳がおれを映し出した。乱れた呼吸を直しながら、にやっと、口の端が持ち上がる。
「私の...二千一勝ね」
遠くで、2本の刀が地面に深々突き刺さった。
それは、打ち上げられた、おれの刀。
何も持たない手は、つまり、敗けを意味していた。
敗北の二文字を、噛み締める。
しょっぱい物が、鼻腔を詰めた。
歯ー食い縛って踏ん張ろうとしても、勝手に溢れて、こめかみのすぐ隣で突き刺さった刀に、逃げ場を奪われたおれは、どうしようもなく震える手で両目を覆って、顔を隠した。
「畜生ォ...!!!
くやしい...!!!!」