【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第3章 斧手のモーガン
約束したんだ............!!
十年前。
「やーーーっ‼」
裂帛の気合いと共に、両手の竹刀を振りかざして突撃する。
ダイレクトに伝わる。振動。
竹刀が転がる音で、我に返った。
頭から石畳の地面へ倒れ込もうとしているのに気付き、慌てて肘で受けた。もう片方の手で、ひりつく額を押さえる。
「く...‼」
「勝者くいな‼
二刀流のゾロの敗け‼」
「これでゾロはくいなに0勝2000敗だぞ」
「あーあ」
先生と弟子の声が、更なる追い討ちをかける。向かいで竹刀を構える女が、おれを見下していた。
「フンっ‼なんて情けないの?
相変わらず弱いわね....男のクセに‼」
「おい‼ゾロは弱くねェぞ‼」
「そうだ‼おれ達の道場で一番強えんだぞ‼」
「大人も入れて一番だぞ‼」
物申す同期の声も馬耳東風、あいつはおれに背を向けながら、竹刀で自分の肩を軽く叩いた。
「あっそ、でも私より弱いじゃない。
剣2本使えようが弱い奴は弱いのよ!
負け犬は黙ってなさい」
「くそっ‼」
言われっぱなしのままで堪えられず、飛び起きる。同期の連中が、後ろでまた騒いだ。
「くいなの奴ムカつくよなーっ‼」
「ちょっとかわいいけどよー」
「本当腹立つ女だぜ‼道場の先生の娘だからっていばりやがって‼」