【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第3章 斧手のモーガン
取り巻きの海兵が、大佐の息子の背中を支える中、彼は、青アザが出来た頬を擦って、赤が入り雑じった鼻水を垂らした。青ざめた顔が、怒りで一気に赤くなる。涙を垂らしながら、彼はがなり立てた。
「おれは海軍大佐モーガンの御曹子だぞ!!!親父に言いつけてやる!!!!」
怒声が響いた。こわばる、野次馬。凍った空気に、一人、平常通りのルフィが、進もうとする。コビーの腕に力が籠り、前のめりになった。ルフィが、静かに怒りを滲ませた。
「『お前が』かかってこいよ」
「ルフィさんやめて下さい‼」
「おれを殴った事を後悔しながら死んでいけ。お前は死刑だ!!!」
殺意の籠った目が、ルフィを捕らえた。部下に脇から支えられ、何とか立ち上がる。
「親父に殺されちまえ‼
バーカ‼」
彼は、捨て台詞を吐いて一目散に逃げ出した。凍てついた空気に、彼の声だけが、人々の耳にまとわりついた。
「あんな奴これ以上殴る価値もねェ」
「いっちゃった」
黙って、ルフィに麦わら帽子をかぶせた。