【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第2章 海賊狩りのゾロ
「おやおやお嬢ちゃん、おいしそうなおにぎり持って差し入れかい?」
男が腰を屈めた。女の子からおにぎり一つ、奪い取る。
「あ!だめっ!!」
「ぷへェっ、まずうっ!!
く...くそ甘ェ!!砂糖が入ってんぞこりゃ、
塩だろうがふつうおにぎりに塩っ‼」
大袈裟に舌を出して、米を吐き出す。女の子は眉を八の字にした。
「だ...だって甘い方がおいしいと思って...!!」
男は、竹の葉ごとおにぎりを払い落とすと、女の子の目の前で踏みつけた。無慈悲に何度も何度も。女の子がしゃがみこんで、靴の形にひしゃげていくおにぎりに、手を伸ばす。
「こんなもん食えるかボケッ!!」
「ああっ‼やめてよ‼やめて‼食べられなくなっちゃう‼」
「ひ...ひどい、あの子がせっかく作ったのに...!」
「大丈夫‼アリならなんとか食ってくれるさ
ひぇっひぇっひぇっひぇっ」
「.........!!」
トドメと言わんばかりに、踵を念入りに押し付けた。男が足をどかすと、見るも無残なおにぎりの残骸が現れる。女の子は、声も出ないようだった。