【ONE PIECE】RULER OF OCEAN
第1章 未来の海兵
「この海岸は海賊"金棒のアルビダ"様の休息地です。ぼくはその海賊船の雑用係コビーといいます」
「ふーんそうか。実はどうでもいいんだけどな、そんなこと」
ルフィが樽から出ながら、そんな事を宣う。
「はあ...」
コビーが、こちらに向き直った。
「君の名前は?」
「こいつはナギ。おれの仲間だ」
ルフィが私の肩に手を置いて、にいっと笑みを浮かべた。
アルビダは小船を持ってないかコビーに訊く。
「え?持ってると思うけど、でもどうして?」
「おれ達のやつ渦巻にのまれちゃって」
「う...渦巻!!?渦巻に遭ったんですか!?」
「あーあれはびっくりしたよまじで」
ふー、とルフィが息をつく。コビーはメガネをかけ直して、気を取り直した。
「ふつう死ぬんですけどね...アルビダ様の物は無理ですけど、別の船なら無い事もないですが...」
持ってきてくれると言う。
暫く待っていると、コビーが木材の塊を引き摺って戻ってきた。船と呼ぶにはあまりにみすぼらしい、形の歪な小船だった。ルフィも同じことを考えたようだ、
「なんだこりゃ、棺桶か?」
「一応...船です。僕が造った船です...!2年かかってコツコツと...」
2年。苦労して一から造り上げたのだろう。そう考えれば、作り手の不器用さが伝わってくるこの船も、可愛い物に見える。
「2年かけて?で...いらねェの?」