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【ONE PIECE】RULER OF OCEAN

第1章 未来の海兵





 ルフィの疑問に、コビーは俯いた。



「はい...いりません。この船はここから逃げ出したくて造ったんですが、結局僕にはそんな勇気ないし...どうせ一生雑用の運命なんです。一応...本当はやりたい事もあるんですけど」



「じゃ、逃げればいいじゃねェかこれで」



 ルフィのもっともな意見にとんでもない様な顔して、コビーは全力で首を振る。



「ム...ムリですよ、ムリムリもしアルビダ様に見つかったらと考えると足がすくんで....!!恐くてとても....!!」



「そう...あれが運命の日でした。ぼくはただ釣りに行こうとしただけなのに、間違って乗り込んでしまったのがなんと海賊船!!!」



「あれから2年、殺さないかわりに航海士兼雑用係として働けと...!!」



 彼が海賊なのに全く海賊らしくなかったのも、そういった経緯があったからなのだ。



「お前ドジでバカだなーっ」



 ひゃーっとルフィが感想を漏らす。



「その上根性なさそうだしなー。おれお前キライだなー」



 歯に衣着せぬ発言をしながら、両手を腰に当ててはっはっはっとルフィは笑う。明らかにメンタル弱そうなコビーは、案の定大ダメージを食らっていた。涙を流しながら、心の痛みを誤魔化すように笑っている。



「え...えへ、えへえへえへへへへ...!!」



 二人の会話を他所に、考える。コビーは、身を呈して私を助けようとしてくれた。彼は本当に、根性なしなのだろうか?
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