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【HQ澤】不思議な桜

第4章 それぞれの嫉妬


「発声いくよー!」
「はい!」

最近、名が部活に出るようになった。
いつもなら部室に行って居ないのを確認してから校内を探すはずなのに

「宮田ちゃん部長お疲れ様です」
「・・・・お疲れ様」

行くと既に居る。

他の部員も不思議がってるのに同学年の2年生だけは普通通り。

「いやいや。おかしいでしょ!」
そんな2年生達にそう言うと
「ちゃんと来るようになって良かったじゃないですか」
と笑われてしまう。
「なんか、男バレの先輩にちゃんと部活行けって言われたみたいですよ」
それは今まで私も言っていたことで
「迷惑かけたまま卒業じゃ嫌なんですって」
と後輩達が笑う。
(そりゃ、そうだけど。)
あれだけ自分が言ってきたのに相手が変わっただけでこうもあっさりうまく行くなんて少し寂しいものがある。
(私の技量不足だったのかな。)
最近、校内で名を見かけると先に居るのは澤村君。
「苗」
そんな時に声をかけると澤村君よりも何倍もの笑顔が返ってくることに優越感を感じ
「部活ちゃんと出るんだよー」
と言えば、
「行きますよー」
との返事。その隣では澤村君が名を誉め、やんやと言いながらも嬉しそうな顔を澤村君に向ける。

「最近澤村君とよく一緒にいるね」
部活中、そんな事を名に言うと、きゅっとシャツの端を捕まれ何を言い出すかと思えば
「嫉妬?!嫉妬ですか?!」
と目をキラキラさせて言ってくるもんだから拍子抜けしてしまう。
「ばっ!澤村君に迷惑かけてないか心配なだけ!」
「先輩嫉妬ですか?!嬉しいです!もっとしてください!」
なんて言ってきて、まだまだ大丈夫だなと安心する。
確かに私の力ではないけれど、私とこの子の関係はまだまだ澤村君に勝てないのだ。
「何か嬉しそうですね先輩」
「澤村君に迷惑かけないようにね」

卒業までの間、あなたが誰を選ぼうが卒業までの間は私を一番にしていてほしいと思うのです。



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