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【HQ澤】不思議な桜

第7章 お目当ての桜は


それからは、またいつもの様に部活までの間を待ち合わせ、時たま体育館近くで会った。
そんな変わりない二人だが
「なんか前より楽しそうじゃね?」
と遠くから見ていた菅原が東峰に切り出す。
「あ、やっぱりスガもそう思う?俺も思ってた」
「なんかぁ、前より良い感じっていうかー」
「あれは、あれだな。」
「マジかよーなんだよー」
と菅原が東峰をバシバシ叩いては
「俺まだ何も言ってないって」
と苦笑される。
後に、名を彼女だと紹介されるまでだいぶ時間がかかり、また桜が咲きだした時、澤村達は卒業を迎えた。
「あ、大地さーん!」
式が終わった後に見た桜には、あの時と同じ様に名がいて、一緒に田中達も木に登ってて、一瞬にして先生達に見つかって注意され逃げる中、こちらに向かって大きく手を振り笑顔な名。
「桜の精ってか?」
と言う菅原に
「ホント、そんな感じだよな」
と笑い返せば、唖然とする菅原に
「大地はホント名にメロメロだな」
と笑う東峰。
それからもまた春になり桜を見ればあの頃の名を思い出す。
「もう忘れてよ」
と桜並木を歩いてる際に思いにふける澤村の隣から声がする。
「本当に名は不思議な桜だよ」
隣にいる名を見てそう言って、
「もう若い頃の話なんだから」
と笑う名は桜をバックに笑い、それを見ては
(やっぱり不思議な桜だよ)
と思う澤村のその心は
出会った桜の精に奪われて
一生をかけて愛でていく事になるのでした。
 


End
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