第3章 お節介?
お節介。
その単語が頭に浮かぶ。
他の部活だし、その部の部員だし、部活動の問題は部活動内で収めるべきだ。
なのに何だか気になって
「よ」
と
「今日はここかー」
と見つけては声をかけてしまう。
「げっ」
初めの内はこんにちはと挨拶してくれたのも、今ではすっかり厄介者扱い。
「・・・先輩は部活行かなくて良いんですか?」
じとっとした視線を送ってくる名の対応が少し面白く、
「俺はちゃんと時間内に行くから大丈夫。」
と、宮田ではなかったことを残念がる様子が少し申し訳なく感じる。
「部活行きなさいよ」
「行きますよ」
つんとする名。
その顔をこちらに振り向かせたくなってしまう。
「宮田のお迎え待たずにさ」
「余計なお世話です」
澤村を見てそう言うのと同時に
「苗ー!」
と宮田の声。
「お、きたきた」
と澤村、
「来ましたね」
と名が嬉しそうにするのも少し残念に思えてしまうのは
「あれ?!今日は澤村も一緒?」
「そ。ちょっと話してた」
きっと嫉妬と似た感情。
「え?!苗何かやらかした?」
「いやいや、本当ただ話してただけだよ」
と焦る宮田
「ひどいな部長ー」
と名が笑い
「最近、一緒に居てくれるんです。無駄に」
と少し迷惑そうに続ける名と、そう言われてなんともいえぬ表情の宮田はコントのワンシーンのようで笑えてしまった。
そして、最近気づいたことと言えば自分が一緒だと名は宮田に見つかっても逃げない事。
その事を言うと
「分かってるならやめてください」
と名に言われる。
「いやぁ、宮田のためには丁度良いだろう」
と笑い返せば嫌そうな顔。
「澤村先輩が一緒だと宮田ちゃん気にしちゃうので」
「そうなの?」
「そうですよ!他の部活にまで迷惑かけて!って怒られるんですよ」
「そっかー、なら宮田のためにもちゃんと出ないとな」
そう言うと名の表情がはっとした。
あぁ、彼女はちゃんと分かってるのか。
「俺達は卒業しちゃうんだから」
今年が最後だよ。