第2章 初めての顕現
さて、どうしたものか。
あれから数分、目の前の刀とにらめっこを続けていた。
すると、痺れを切らしたこんのすけが漸く口を開いた。
こんのすけ「…審神者、いつまでそうしているおつもりですか?」
主「いやあ…顕現ってさ、具体的にどうやれば良いのかな?って」
こんのすけ「…はあ」
ええ…感じ悪いな、おい。
今、思いっきり溜め息吐いたよね?この子。
いや分かる、分かるよ?そりゃあこの三日間、お前一体何してたんだよ!?って言いたいんだよね、そうだよね!?
もうね、本当に…申し訳ないとしか言えない。
こんのすけ「刀に両手を翳して下さい」
主「ほえ?こう…?」
こんのすけ「刀が人型になるよう、念じて下さい」
うん…うん?
念じる?あの、お坊さんがよくやる南無南無みたいな?
いや…多分違うな、うん。
まあ、兎に角やってみるしかないか!
両手の手のひらを刀に向ける様に翳し、両目を閉じて念じた。
刀と、会話する様に感覚を研ぎ澄ませる。
主「私の、一人目の家族になって…」
こんのすけ「…刀剣を人と扱いますか」
うん、出来れば可愛い子が良いな…ぎゅってしたい!
っていうか、刀剣男士ってどんな子なんだろうか?刀、って考えるとゴツゴツしたがっつり筋肉携えた強靭そうなお兄さんしか思い浮かばない…。
もう…超絶かわいこちゃん、超絶ウェルカム!!
なんて内心は、流石にこんのすけにバレる訳にはいかないな。
すると、不意に風を感じた。
目を開けると、淡い桜が渦を巻くように美しく舞っていた。