第9章 いざ、参る!
主「ほたるんが守ってくれるなら百人力だねっ」
蛍丸「ふふん、俺に任せておけば大丈夫だよ」
自慢気に胸を張る蛍丸に自然と笑みが零れる。
やっぱり審神者になって良かった。
片付けも終わり、蛍丸を加州に預けて審神者部屋に戻って来た。
襖を開けた途端目に入ってきたのは、待ち構えていたかの様に座って此方を見ているこんのすけの姿だった。
主「あ…間違えました」
こんのすけ「貴女の部屋は此処でしょうが!!」
何だか嫌な予感がして襖を閉め様としたら、睨みを利かせたこんのすけに一喝された。
仕方無く中に入り、こんのすけの前に腰を掛ける。
主「だってぇ、何かこんのすけ最近怖いよ?」
こんのすけ「昨日来たばかりでしょうに!そうではなくて…審神者様に一つ、政府より頼み事がありまして」
主「頼み事?」
一体何だろう?
お前仕事出来ないからやっぱり仕事降りろよ…とか!?いやいやいや、それだったら頼み事じゃなく指令とか何とか言う筈!
まさか、折角来てくれた皆を返せとか!?
私のそんなパニックな思考回路を断ち切るかの様に、静かな声音でこんのすけが話し出した。
こんのすけ「ブラック本丸…というのはご存知ですかな?」
主「知ってるよ、政府の人に散々聞かされたもん。自分の私利私欲の為に刀剣男士を利用して、やがて崩壊の道を辿る…とか何とか」
こんのすけ「はい。現在審神者は万とおりますからな、正直そういったブラック本丸が増えてきているというのも…哀しきかな事実です」
主「…っ」
辛い。
世の中には笑えない刀剣男士達が居るんだ…。
そう考えると、握る拳に自然と力が入る。