第1章 初めまして、私の本丸
主「あははー…ごめんね?さっき政府から聞いてたこんのすけが此所まで可愛いなんて聞いてなかったんだもん」
こんのすけ「だもん、じゃありません。本当にこんな方に刀剣男士が纏められるのでしょうか…」
怪しんで疑う様な目を向けるこんのすけ。
うん、何かムカつく。
まあ…七割がた間違って無いから言い返せないんだけどね。
主「それよりさ、早く行かないと日が暮れちゃうんじゃない?」
こんのすけ「…ハッ!?そうですね、まだ少し不安が残りますが仕方ありません。向かうとしましょうか」
多少イラッとしたが、早くしないと本当に日が暮れてしまう。
そうして、私とこんのすけは本丸へと向かったのだった。
主「おおお!!本丸の屋根瓦が薄紫色って可愛い!」
こんのすけ「ほう…こんな本丸、初めて見ました」
主「そうなの?」
こんのすけ「ええ、大体の瓦の色は浅葱色であったり勿忘草色であったり…此所は菫色ですかな?」
淡い薄紫が太陽に照らされ薄紅色の様な光沢を見せる、そんなキラキラとした本丸に私は目を輝かせた。
こんのすけ「さて、早く一振り目を顕現して頂かなくてはなりませんので早速中に参りましょうか?」
主「はーい!」
こんのすけ「はあ…まるで子供の様な方ですな」
うっさいわ、ボケ狐!
こっそりならまだしも、何で真っ向からディスられにゃならんのだ!?
主「むぅ…」
こんのすけ「はいはい、むくれていると置いて行きますよ」
頬を膨らませていると、すたすたと先に行ってしまうこんのすけに慌てて駆け寄る。
全く、コイツが私の御付きとは…なかなかに扱い難いなぁ。
主「此所は?」
やって来たのは、この本丸の一番高い場所に位置する部屋。
見渡すと広く、パソコンにカメラなんかが置かれている。
何か…場所に似合わないなぁ。
こんのすけ「此所は審神者部屋、貴女様のお部屋ですよ」
主「え…私、こんな広い部屋貰っちゃって良いの?」
こんのすけ「いえ…他の本丸の審神者はもっと実績を上げ、もっと広い本丸で広い部屋を使っている審神者も居ますぞ」
いちいち嫌味だなぁ…。
ま、そろそろ慣れてきたけど。