第1章 初めまして、私の本丸
政府「審神者に、なってみる気はありますか?」
その一言で私の人生は変わった。
主「審神者って…あの審神者ですか!?」
政府「はあ…審神者という職は一つしか無いと記憶しております」
かなり冷めた口調で冷たい目元に映える細フレーム眼鏡を掛けた男性、彼は政府の役員だ。
主「政府から大金貰えてのんびりのほほん、ぐーたらしてても怒られない!そんな楽な職業ですよね!?」
政府「いえ、ぐーたらしている審神者に大金なんて差し上げませんが…」
刀が擬人化…いや、刀剣に宿った付喪神を顕現して人となった刀剣男士を纏めて時間遡行軍を殲滅する。
なんか難しいし、後々覚えりゃ問題ないよね。
主「やります!!」
大見栄きって立ち上がってまでした宣言を、後々後悔しないように。
そう、政府役員の彼から念を押される様に忠告された。
そして、ブラック本丸にしないように…と、これもあの冷たい声音で念を押された。
こんのすけ「私が貴女様をサポートする様にと仰せつかった管狐、こんのすけで御座います」
主「か…可愛いぃぃ!!!」
三日後。
私が預かった本丸へと向かうべく、政府に立ち寄り挨拶を終えた頃。
不意に足元から聞こえた声に驚き目線を下に向けた。
視界に飛び込んできたのは、顔に赤い狐面の様な模様のある首に桃色の襟巻きの様なふわふわの毛が特徴的な、可愛らしい狐だった。
あまりの可愛さに思わずぎゅうっと抱き締め、悶えていると…。
こんのすけ「さ、審神者様!このこんのすけ、潰れてしまいますぅぅ!!」
主「あ、ごめん。でもさ、可愛過ぎるこんのすけにも非があると思うの」
こんのすけ「どんな言い訳ですか、もう…本丸に案内致しませんぞ!?」
主「え!?もう、ごめんってー。ほら、離した離した!」
ぱっと手を離し笑って誤魔化す。
こんのすけ「今度の審神者は調子が良いというか、馬鹿っぽいというか…」
おい狐、今馬鹿とか聞こえたぞ?
吊し上げてやろうか…!