第2章 射抜く瞳
烏野高校に入学してからの時間は
何だかあっという間に感じられた
成り行きで入部したバレー部
最初は不安こそあったものの、
同じクラスで常に行動を共にしている
蛍と忠のおかげで学業と部活の両立も
卒なくこなすことが出来ている
_____________ でも、
どうしたって思い出してしまう
高く振り上げられた腕
風になびく淡い栗色の髪
生き生きとした楽しそうな横顔
『 ... もうバレーとは関わるつもり
無かったんだけどな』
「何でだ」
『ッ ... !? も、もうびっくりした飛雄くんか』
飛雄くんは「悪ィ」と呟くと
私に目線を合わせる為に膝に手をつく
飛雄くんは、いつもそうだった
それが当たり前のように
私の目を真っ直ぐと見つめる彼の目
嘘も真実も全部見透かしてるような強い目に
私はいつもたじろいでしまって、
じれったく俯く
そしてその行動が、
彼のことを煽ることになっていることに
私は気づかないでいた