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氷華血鎖【鳴門】

第38章 一部・残酷な未来


修行付けてくれたり面倒を見てくれたりと沢山構って貰ってたし、だいぶ懐いてたから寂しいのだろう。まぁアタシだって寂しいけど。何やかんや言って皆良い人達だし。



「次はいつ帰って来るの?」

『うーん…皆のお仕事は簡単じゃないからなぁ…』

「つーか暁って何なの?」



稽古で泥だらけになったミツさんが手拭いで顔を拭きながら聞いてくる。どう説明しようか一瞬だけ頭の中で考えて当たり障りの無い言葉を選ぶ。



『超一流の忍の集まりかな』

「え!あのお子様達も!?」

「デイダラ強いよ?」

「サソリのおじ様は若いけど子供じゃないよ」

「え…おじ…えっ」



ミツさんはデイダラ君とサソリさんを普通に子供だと思ってたのか。まぁデイダラ君も15、16だしサソリさんに至っては傀儡だから見た目だけは年取らないし。



「たまーに来る物静かなネエチャンもあの顔面ピアスの人も超一流の忍なの!?」

『そりゃ勿論。ミツさんの千倍は強い、皆』

「せん…ばい…」

「「ミツ兄どんまーい」」



とは言ったもののミツさんも普通に忍とかになっていれば中忍…否、上忍…うーん…その中間地点くらいの実力はあると思うんだけどね。ミツさんは調子に乗せたら駄目だから褒め過ぎるのは良くない。





※※※





「で?その超一流の忍が集まってどんな事してんの?」



ぶすーっと不貞腐れた様に縁側に胡座をかくミツ兄は、どうやらさっき姉様が放った"千倍は強い"の言葉にショックを受けているらしい。
ミツ兄も弱くは無いんだけどね。ただ姉様とかイタチ兄様とか他の暁の人達と比べると天地以上の差がある。



「珍しい動物を探してるんだって」

『!』

「珍しい動物?彼奴等も探しもんかよ」

「凄く強くて凶暴なんだって」



"動物ねぇ…"と腑に落ちない様な表情を浮かべるミツ兄の隣に姉様が腰を落とす。



『ほら、二人は早くコンタクト外して来なさい。修行付けてあげるから』

「「はーい」」





※※※





双子が部屋に戻って行くとチヅは小さく溜息を吐く。



「聞いちゃマズかった?」

『…少しね。あの子達にとって暁の皆は親戚みたいな立ち位置で懐いてるし悪い人とは思ってないから、そのままで居させてあげたいの』



その台詞は彼奴等が悪い人に聞こえる。
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