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氷華血鎖【鳴門】

第40章 一部・終節


標高が高く気温が低いこの村でも
満開の桜が散った四月末-…。

弟妹はアカデミーの新学期を迎え日々の成長を感じ意欲的に修行に取り組む姿勢が高くなった。マツは更に知識を付ける為に勉学に勤しみトシは得意な手裏剣術の制度を上げる。ミツさんはまだまだ早い気がするけど術の開発をしようとしてる。
アタシは変わらずちょいちょい情報収集に出掛けて村に居る時は弟妹とミツさんに修行を付ける。
そして異常なまでの食欲も健在。数ヶ月前からたまに起こる貧血も健在………と言うより頻度が上がった気がするし何なら極稀に吐き気まで襲って来る様になった。



『どうしたんだろ、アタシ』



医者であるアタシがそれらの状況の原因が全く分からない。貧血の原因は血液不足かな、なんて考えて自分の血液を調べても数値も成分も何も変わらないし不足してる、と言う訳でも無い。
そもそも血遁だって使ってないし考えられる経水だって数ヶ月前から来てない…と言っても元々不順だし、その線も有り得ないから血液不足になる訳が無い。
脳、心臓、肺、胃、腸…どの臓器を調べてもすこぶる良好な健康優良児な訳だ。



-ぐらっ…-



『…っ』



あ、ヤバい。こんなところでまた貧血が…





※※※





パチ、と目を覚ますと見慣れない天井。
確かアタシは街まで買物に出てて…そしたら急な眩暈に襲われて。



「ブヒッ」「あ!」

「あ、気付いたのね!良かった」



視線をさ迷わせるとすぐ真横にドアップの子豚の顔。そしてその後ろに可愛らしい女の子。そしてもう一人綺麗な女の人。



『えっと…』

「ここは湯隠れの里の街から少し離れた診療所」

『診療所…』

「私達の目の前で貴方が倒れたから診察する為に場所を貸して貰ってるの」



貧血を起こした記憶はあるけど倒れた記憶が無い。つまりたかが貧血如きで気を失ったのか、アタシは。



『すみません、ご迷惑をお掛けしました』

「待って。無理したら駄目よ!お腹に負担が…」

『お腹?』



腸はちゃんと調べてるし異常は無かった。



「もしかして知らな…」

『?』

「おめでとう御座います。恐らく四、五ヶ月くらいですよ」

『………え?』




















→一部~Fin~、NEXT幕間-…
To Be Continued.
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