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氷華血鎖【鳴門】

第33章 一部・来客


当たり障りの無い答えを言う。チヅルさんの抱えている兄弟問題やイタチさんの体調の事は伏せるのが妥当だろうと判断する。



「最近、依頼の方も落ち着いてますし休憩がてらですよ」

「確かに最近、行動は落ち着いてるな…九尾の人柱力の件と木ノ葉の様子はどうなった?」

「被害は甚大でしたね…人柱力についてはお守りが伝説の三忍の一人なので暫くは様子見が最適でしょう」

「成程。まぁまだ人柱力は焦る必要は無い。準備にはまだ暫く時間がかかるだろうからな」



確かに。あの計画の為には尾獣が必要不可欠ですが、それをするのにも準備には時間がかかる…って言っても皆さんは尾獣が何に使われるかはまだ存じて無いのでしょうが。



「そう言えばイタチの姿が見えねぇな」

「あぁ…イタチさんならこの時間はいつもチヅルさんとご一緒ですよ」

「へぇ…」



診察と言う名の色気の無いものですが。



「残念ながら貴方の考えてる様な事はありませんよ。周りの目を気にしてるのか、お二人して奥手なのか…健全過ぎる距離感ですから」

「むず痒い奴等だな…餓鬼じゃあるまいし」

「そう思いますよねぇ?でしたら我々大人が人肌脱ぐべきでは?」

「………あ゙?」





※※※





『「…くしゅっ…!?」』



イタチさんの診察をしていたら背筋がゾワゾワしてくしゃみが出る。しかもアタシだけじゃなくてイタチさんもでタイミングも同じ。互いに顔を見合わせてみるけど別に何か変な感じとかはしない。風邪だろうか。確かに最近は冷え込んで来たど鉄の国も故郷もほぼほぼ雪国でそこで育ってるアタシからすると、このくらいの寒さはどうって事は無いんだけど。



『寒い?』

「そこまででは無い」

『火鉢出そっか』



イタチさんの体調も考慮して押入れの奥から火鉢を引っ張り出して用意をしてるとスパンと部屋の襖が開く。そこに立っていたのは既に寝てるハズのマツで小刻みに震えながら、それ以上に震えた声で言葉を紡ごうとする。



「姉、様…御免なさい…私止められなくて…トシが…」



全身から血の気が引いていくのが分かった。





※※※





鬼鮫にあの二人をどう進展させるべきかの話に無理矢理巻き込まれて渋々話し合いに参加していたら急に廊下がバタバタと慌しく煩くなる。ただ事では無さそうだ。
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