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氷華血鎖【鳴門】

第33章 一部・来客


その騒音に寝ていたデイダラも目を覚まし目を擦りながら襖を開けて廊下に顔を出す。



「何があった?」

「いや…分からねぇ…けど」



侵入者、とかでは無さそうだ。これまで怪しい気配は感じ無かったし鬼鮫も首を傾げる。



「双子の部屋が騒々しいから双子に何かあったんじゃねーか?」

「双子に?」



三人で顔を見合わせて部屋を出る。





※※※





激しく衰弱するトシと治療をするチヅルを見てマツは寝巻きの服の裾を震える手でキツく握り締めて目を逸らさまいと涙に濡れる目を開く。何があったのかは分からないがチヅルは分かってる様で、またマツも気丈にその様子を見守る。



「何があったんですか?」



騒がしい様子に客室で休んでいた三人も怪訝な表情でやって来て廊下から部屋の様子を覗く。



「………死にかけだな。外傷は無い…何があった?」

「氷遁を…使っちゃって…」



氷遁を使っただけでここまで衰弱するものなのか。血遁みたいに高いリスク…寧ろリスクすら無い様にチヅルは扱うから、この様になってしまうとは想像すらしてなかった。



「…チャクラ欠乏症か」

一同「!?」

『………』



耳にした事の無い病だった。サソリの言葉にマツは俯いてチヅルは治療を施しながら唇を噛み締めると口の端から血が一筋、顎を伝う。



「生まれつき非常にチャクラが少なく、また器も小さい。日常生活の中でもチャクラは常に消費する。掛かる者はその病だと気付く前に…九割は赤ん坊の頃に死ぬ筈だ。長く生きたとしても精々五つまで」

「五つって…お前達今…」

「八歳」



最低でも三年…否、今までのチヅルの口振りからするともっと前から延命治療をしていた事になる。医療機材を使った延命治療は聞いた事があるが見るからにそれはして無い。つまりは薬だけで延命治療をしていたと言う事だろうか。



「大したものだ。だがチヅ…それは世の理に反している。薬の治療は兎も角、今お前がやってる処置は………お前自身の身も滅ぼすものだろう」

一同「………!」




















→to be continued.
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